君とみたあの夏の流星群。

「今更だけど、浴衣、すごく似合ってる」


「えっ?あっ、ありがとう」


えっ、どうして今なの?!
と、思いつつ……不意に、碧都から言われた言葉で、私の顔は赤く染まっていくのが分かる。


「ほんとはさ、最初に言おうと思ったんだけど、星祈が可愛いすぎて、見てられなかったというか……」


「………っ?!」


嬉しすぎてどうにかなってしまいそう。

碧都はサラッと言ったけど、私は、『可愛いすぎて』と言った、碧都の言葉が頭から離れなくなる。


「だから、あの時は変な空気にして、ごめん。それだけは、言っておきたくて」


「う、うん」


だから……
最初の頃、碧都は私と話してくれなかったんだ。


今の碧都はいつもより、饒舌すぎる気がする。

嬉しい言葉ばかりくれる碧都に、私は、ドキドキしっぱなしになる。

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