君とみたあの夏の流星群。
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21時を過ぎた頃から、流星群はピークを迎えていた。


夜風が肌寒く感じる中、4人で空を見上げて、流星群を見る。



こうして、流星群を見ていると、お父さんと流星群を見ていた記憶が蘇ってくる。


お父さんに抱っこされながら、首が痛くなるまで、ずっと上を向いて空を見てたっけ?


でも、どうしてだろ…。


去年までは、流星群のことを考えるたびに、悲しくなっていたのに。


今は、悲しいというより懐かしいと感じるし、お父さんが近くにいるようなそんな気がする。


隣で見ていた碧都は、そっと私の手を握ってくる。


何も聞かずに、何も言わずに。


でも、それが私には、大丈夫だよ。俺がいるよ。って、言ってくれてるみたいで嬉しくて、

私は、碧都の手をギュッと握り返した。

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