君とみたあの夏の流星群。
■■■

【碧都side】


縁日に行く時間までは、各部屋で過ごすということになって、
星祈のおばぁさんに案内された部屋で、俺と樹は浴衣を着ていた。


「なぁ、碧都ー、帯ってどう巻くんだっけ?」


樹は、やってくれ。と、言うような顔をして、俺を見てくる。

そんな全身の鏡の前で悪戦苦闘している樹を俺は、無視をする。


「…………」


「何だよー。無視すんなってばー」


「はぁ、……ただでさえ、自分の浴衣の着付けだけで、ダルいんだから、自分でやれよ。
そもそも、浴衣を着てこい。って、言ったのお前だろ?」


旅行の2、3日前に、LIMEをして来たと思ったら、
【俺さ、桐葉に縁日に、浴衣着てこい!って念を押されててさ、だから、碧都も浴衣着てこいよ?笑】

逆に、俺は、樹に浴衣を着てくるよう念を押される始末…。

それに、嫌だと言ったところで、樹の性格だから諦めないだろうし……


そして、結局……
俺も当日は浴衣を着ていくことにして、今に至っている。


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