君とみたあの夏の流星群。

でも……
何で、星祈が、浴衣着てくることを樹が知ってるんだ?


俺は、そもそも星祈から縁日に行くとも誘われていない。
星祈が、浴衣を着てくることは、樹に言われなければ、知らないままだった。


それに……
星祈が俺を避けてる気がする。

まぁ、それは、夏休みだから会わないだけかもしれないけど。

まともに話が出来ないまま、今日まで来たというのに……

樹とは連絡を取り合ってるということ?

そう考えたら、ムッとした感情が込み上げてくる。


「何だよ。嬉しくないのか?」


俺が嫉妬している原因は、樹だというのに、当の本人は、キョトンとした顔をしている。


「……いや、そうじゃない。
何で、星祈が浴衣を着てくるって、樹が、知ってるんだよ」


「ん?桐葉から聞いた」


何だそんなことがどうした?と、でも、言うような顔をして樹は、平然と答えた。


「そう…か」

そう言われ、ホッとする。

星祈から聞いたわけじゃないのか…。


「あー、もしかして、俺と七瀬さんが連絡取り合ってると思って、嫉妬したんだろ?笑」

ニヤニヤしながら、樹が言う。

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