君とみたあの夏の流星群。
「碧都?」
「…………」
星祈が俺の名前を呼んだことにも気づかないくらい、自分のことでいっぱいになっていた。
俺に無視されたと思ったのか、星祈がこれ以上、話しかけてくることはなかった。
そんな気まずい雰囲気を察した樹が、声をかけて、
ようやく、俺たちは、縁日が開かれている神社に向かって歩き出した。
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星祈のおばぁさんの家から少し歩くと、静かだった通りもだんだんと、賑やかになっていく。
俺は、星祈たちの1歩を後ろを歩きながら、反省をしていた。
さっきの態度は、素っ気なさ過ぎたよな……
はぁ…。余裕なさすぎる。
それに、肝心なことを星祈に伝えられていない。
浴衣、似合ってる。可愛い。って、まだ、言えてない。
だから……
俺は、何とか2人きりで話せないかと思って、俺は、少し前を歩く星祈の手首を掴んだ。