君とみたあの夏の流星群。
そんな私に気付いた碧都は、イヤホンを外しながら、私の方に向かって歩いてくる。
「星祈、何か、久しぶりだね」
前と変わらない碧都の態度に、碧都が私を意識してるわけじゃないんだと、思わされて、少し胸がチクッと痛む。
「う、うん。久しぶり……碧都は、待ち合わせでもしてるの?」
意識し過ぎないように、平常心を保ちながら、話す。
「うん、樹に勉強教えてくれ。って、しつこく言われて、めんどくさいけど、樹の家行って勉強教えに行ってくる。星祈は、どこか行くの?」
「そうだったんだ。私は、ちょっと勉強の気分転換に歩いてただけだよ」
大丈夫……
ちゃんと、話せてる。
「そう……じゃぁさ、少し時間ある?」
碧都はさっきまでの表情とは変わって、少し真剣な目をしながら、言った。
「えっ、うん。私は、大丈夫だけど……碧都は、待ち合わせしてるんじゃ……」
「いや、まだ、待ち合わせの時間まで余裕あるし、俺が星祈と話したいから」
碧都からの誘いを断れるはずもなく、私は、大きく頷いた。