君とみたあの夏の流星群。

───ドクンドクン


心臓が大きく音を立てて、存在を強く感じる。


しだいに、徐々に、私に強烈な痛みが襲ってくる。


「……っ」


まるで……
心臓をギュッと握りつぶされているみたい。


何で……
さっきまでは、平気だったのに……


あっ、そっか、碧都のことしか考えてなかったから。


私……死ぬの?


そんなの嫌。


だって、碧都にまだ、自分の気持ちを伝えられてないのに……


「好き」って、伝えられてないのに……


────碧都…


私は、立っていられなくなって、その場に倒れ込んだ。


遠のいていく意識の中……
慌てた様子のお母さんが、リビングから駆け寄ってくる姿が見えた。

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