君とみたあの夏の流星群。
お母さんがいなくなると、病室には私1人だけになった。
改めて病室を見回してみると、最低限に必要な家具だけが置いてあって、小さな冷蔵庫と小さなテレビとテーブル。
ベッドの脇には、来客用の椅子があるだけのシンプルな部屋のつくり。
病院はお父さんが入院していた時以来、来たことがない。
なんだか、今、自分が病院のベッドの上にいることが、信じられなくて、不思議な感じがする。
───チクタクチクタク
壁にかけられた時計の針の音がする。
それが逆に寂しさを引き立ててくる。
1人で病院にいることがこんなにも心細くて、寂しい気持ちになることも初めて知った。
お父さんも、こんな気持ちになってたのかな…。
暇を持て余した私は、早く、お母さんが戻ってきて欲しいと思いながら、ベッドなら出ることも出来なくて、静かに待つだけ。
それにしても、お母さん遅いけど、何かあったのかな?
勢いよくドアが開いて、お母さんが病室に入ってくる。
「ごめん!星祈、待たせちゃって」
「ううん、大丈夫だよ」