君とみたあの夏の流星群。
□□□

───放課後


帰りのSHRが終わって、私は、帰ったらやらなくてはいけない課題と、空になったお弁当箱をカバンに詰め込む。


これから部活に行く人、帰る人でザワついていた教室が更にザワつき始める。


『キャー!!皐月くんだ!かっこいい♡』

『七瀬さんが羨ましいー!』


周りのクラスメイトが碧都を見ていることに、特に気にする素振りを見せず……


当たり前のように碧都は、真っ直ぐ私の席に来て、


「星祈、帰ろ?」


朝の気だるげな感じはなく、髪もいつの間にか、綺麗にセットされている。


かっこよさが増している碧都に見惚れながら、私は、小さく頷く。


「う、うん」


周りのクラスメイトの視線に、いたたまれない気持ちを抱えながら、教室を後にした。


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