君とみたあの夏の流星群。
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病院の受付を済ませてから、私とお母さんは待合室で待つこと、数分。


「七瀬さん、診察室の方へご案内いたします。お母さまもご一緒にお越しください」


検査の時にも担当してくれた看護師さんに、そう言われ、私とお母さんは診察室へ案内された。


診察室は、相変わらず、病院の独特の匂いが充満している。



「七瀬さんと、お母さま、お待ちしておりました。どうぞ、お座りになってください」


笹木先生に促され、私とお母さんは笹木先生と向かい合わせになるように、座った。


笹木先生は、スっと一息ついて、複雑な表情を浮かべてから、静かに口を開いた。


「単刀直入に申し上げますと……
七瀬さんは、"拡張型心筋症"を発症していると思われます。

この病気は、心臓の筋肉の収縮をする能力が低下し、左心室が拡張していく病気です」


───病気……


───拡張型…心筋症……?

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