君とみたあの夏の流星群。
□□□


その後は、笹木先生から月に数回程度の定期的な検診と薬による治療を行うこと。

過度な運動を控えること。

塩分の高い食事を避けること。と、説明を受けた。


ずっと、涙を堪えていたせいか、家に着いた途端に、涙が込み上げてきそうになって、私は、部屋にこもった。


「星祈……大丈夫?無理してない?ごめんね、お母さんばっかり泣いちゃって」


まだ、少し鼻声のお母さんが部屋のドア越しから声をかけてくれる。


「……大丈夫だから」


「星祈、晩ご飯はどうする?」


「いらない。お母さん、ごめんね。今は、1人にして欲しい」


「そうよね、分かったわ。おやすみ、星祈…」


「うん、おやすみ」


お母さんが階段を降りていって、パタッとリビングのドアが閉まる音を聞いてから、私は、ベッドにうつ伏せに倒れ込んだ。


考えるのは、つい、さっきまでの出来事。


嘘だったら、良かったのにな……

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