君とみたあの夏の流星群。
「いや、そうじゃないけ……」
はっ、とした私は、他のおかずにも手を伸ばして、一口、食べれば、どれも味が薄くなっていることに気づいた。
昨日、笹木先生から、塩分の高い食事を避けるよう言われていたことを思い出した。
そっか、こういうことから気をつけていかないといけないんだ…。
「……お母さん、ありがとう」
私がそう言うと、お母さんは、目を潤ませて、涙を堪えた顔をしながら、言う。
「……っ、ほら、早く食べないと遅刻するよ?」
「うん」
昨日と同じ朝が来たはずなのに……
病気のことを知る前と知った後では、やっぱり、違うんだと感じながら
私は、また、一口とお味噌汁を啜った。
それから、私は、黙々とお母さんの作った朝ごはんを食べ進めた。
朝ごはんを食べ終えてから、いつものように、リビングの片隅にあるお父さんの写真に手を合わせる。