君とみたあの夏の流星群。
□□□


サンドイッチを食べ終えた私は、「お手洗いに行ってくる」と言って、席を離れた。


お昼の薬を飲むために…。


碧都の前では、飲むわけにはいかないから。


お母さんから渡された薬ケースから処方された錠剤の薬を取り出す。


2、3粒同時に口に入れてから、持ってきていたペットボトルの水を流し込んで、ゴクンと飲み込む。


倒れた日以降、薬を飲んでいるおかげか、あれから症状は出ていなくて、息切れも心臓の痛みも感じていない。


薬が効いてるって、ことなのかな?


「そうだったら、いいな…」


そう思いながら、ついでに、お手洗いも済ませてから、碧都の待つ席に戻る。


「碧都、お待たせ!」


「大丈夫。じゃ、もうそろそろ、水族館に行こう」


「うん!」


自然と私の手は、碧都の手に絡めとるように繋がれて、お店を後にした。


< 182 / 349 >

この作品をシェア

pagetop