君とみたあの夏の流星群。

『おっ?ちょうど、男女2人だな。
よしっ!結城(ゆいしろ)と七瀬の2人で決まりだな!』


えっ?結城くん?!


私は思わず、結城くんの席に目を向ければ、ニコッと人懐っこい笑顔で微笑む結城くんと目が合う。


碧都以外の男の子と接する機会のない私は、不意打ちの笑顔に、一瞬、ドキっとしてしまう。



結城くんという存在は、もちろん、知っていたけれど、内気な私とは無縁の世界の人で、話したこともない。


結城くんは、クラスの中心的人物であり、男女問わず人気者。


いつも、結城くんの周りには人だかりができているほど。


そんな人気者の結城くんが文化祭実行委員と決まった途端……
クラスメイトの女の子たちからの声が上がる。


『結城くんがやるなら、私やりたかったー!』


私は案の定、クラスメイトの女の子たちからの鋭い視線を浴びる。


『ダメだ。もう、結城と七瀬で決まりだ』


先生の一言によって、すぐに教室は静かになった。


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