君とみたあの夏の流星群。
私の呼びかけに気づいた結城くんは、くるっと、後ろを振り向いた。
「……あ、あの、結城くん。さっきは、ありがとう」
私は、結城くんに向かって深々と頭を下げると……
結城くんは、「えっ?何のこと?」と言って、首を傾げる。
「あっ、えっと……私、人前に出て話すのが苦手で、さっきも緊張して何も話せなかった。でも、結城くんがクラスのみんなをまとめてくれて。
だから……さっきは、ありがとう」
結城くんと話したのは、さっきの会話が初めてで、まだ少し緊張しながら伝える。
「あー、何だ、んなことか。そもそも、俺、前に出たりするの苦手じゃねぇつーだけだし。別に、お礼言われるほどのことしてねぇーよ?」
「で、でも、助けかったのは本当のことだから」
「そう、律儀なんだな、七瀬って。まぁ、気持ちは受け取ったわ。
つーわけで、文化祭実行委員よろしくな、七瀬!」
ニコッと結城くんは微笑みながら言う。
この笑顔にみんなイチコロなんだろうな。と思いながら、私は大きく頷く。
「う、うん。こちらこそ、よろしくね」