君とみたあの夏の流星群。

唯一、話せるのが碧都と最近では、一之瀬くんくらい。


「あの人気者の結城とすら、話したことなかったとは。まっ、星祈には、皐月くんしか見えてないもんね。笑」


「なっ!」


瑠奈ちゃんは、私の反応を見てクスクスと笑う。


「ふふっ、星祈をからかうのホント面白いわー。って、あれ?結城じゃん、何やってんのアイツ。笑」


瑠奈ちゃんが見ている先に、キョロキョロと周りを見回す結城くんの姿。


一瞬、結城くんと目が合ったような気がする。


結城くんは、大きく手を振って、真っ直ぐ私と瑠奈ちゃんの方に向かって駆け寄ってくる。


「はぁ、七瀬、やっと見つけた」


「えっ?私?」


「そ、七瀬を探してた。担任からさっき、昼休みに文化祭実行委員の集まりが図書室であるつー、言われたから探してたんだよ」


「そうだったんだ」


「ほーら、あたしのことは気にしなくていいから早く行ってきなよ」


「う、うん」


瑠奈ちゃんがグイッと私の背中を押す。


それから、私は結城くんと図書室へと急いだ。

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