君とみたあの夏の流星群。

本当に、私と碧都は付き合っていないし、幼なじみであることに嘘はない。


"ただの幼なじみ"

改めて口に出して言うと、ますます、苦しいだけで。


でも、私はチクッとする胸の痛みに気付かないフリをする。


「で、でも、何でそんなこと聞くの?」


「んー、確認?」


「確認?」


結城くんの答えに理解の出来ない私は、首を傾げる。


結城くんはパッと私から顔を背けて口元を隠す。


「い、いや、こっちの話だから、気にすんな!
つーか、ただの幼なじみって言ってるけど、七瀬は皐月のこと好きなんだろ?」


「……っ!」


図星をつかれて、私の顔はみるみる真っ赤に染まる。


「つーか、七瀬って、ほんと、分かりすいんだな。笑」


そんな私の反応を見た結城くんは、クスクスとお腹を抱えて笑う。

< 197 / 349 >

この作品をシェア

pagetop