君とみたあの夏の流星群。
■■■

【碧都side】

───昼休み


昼休みが始まるチャイムが鳴って、教室がうるさくなる中……


俺は、今だに襲ってくる睡魔に負けて、机に突っ伏した。


昼休みより睡眠の方が重要。


窓側の日差しが当たるこの席は、本当に最高で、俺は、ウトウトして……


おやすみ……


「碧都ー!購買、行こうーぜ!」


そんな俺の睡眠を躊躇なく、樹が遮った。


「………」


俺は、無言の圧力をかけて、樹を見上げる。


「悪かったって!寝てると思わなかったんだよ」


そう言って、謝る樹の口元は緩んでいて、嘘を付いていることがすぐに分かる。


そもそも、真っ直ぐな性格の樹は嘘とは無縁の世界。


そのくらい、嘘がつくのが下手。


断るのもダルい俺は、しぶしぶ頷いて、樹と購買へ向かうために、教室を出た。

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