君とみたあの夏の流星群。

「……でも、七瀬をんな顔にさせるヤツが羨ましい」と、ボソッと結城くんは言う。


「えっ?結城くん、なんて?」


「いや、なんも。つーか、早いとこ終わらせようぜ」


「う、うん」



それから……
集中して作業を進めること30分。



ようやく全部のペーパーフラワーの貼り付けが終わると、殺風景だった廊下が一気に華々しくなった。


装飾された廊下を見ると、ちょっとした達成感を感じる。


「やっと、終わったなー。七瀬、お疲れ!」


結城くんは、腕を大きくのびーっと伸ばしながら言う。


「うん、結城くんもお疲れ様」


「んじゃぁ、俺、教室からバック取ってくるわー」


「あっ、私も、バック、教室だから取りに行かないと……」


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