君とみたあの夏の流星群。
振り返ると、少し息を切らした碧都の姿がある。
「遅くなって、ごめ…っ!」
駆け寄ってきた碧都は、結城くんに気づくなり、碧都の視線は私から、結城くんに向けられた。
一瞬、碧都と結城くんの間に
───ピリッとした空気が流れる。
何この空気……
張り詰めたような空気の中、2人の間に挟まれた私は、どうすればいいのか、戸惑う。
そういえば……
碧都は結城くんと接点なかったような、いや、でも、実は仲良し……
いや、この状況からして、それはない……
そんな、ただならぬ空気を割ったのは、結城くん。
「……俺、帰るわ。七瀬、つーわけだから、考えといて」
結城くんはそれだけ言うと、走り去るようにその場を離れていく。