君とみたあの夏の流星群。
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結城くんと別れてから、碧都の「星祈、帰ろ」の一声から、私たちも学校を後にして、いつもの帰り道を歩いていた。


見慣れた通り沿いを歩く私と碧都の間には、重い空気が漂っている。


チラリと隣を歩く碧都の顔を見れば、明らかに、碧都は不機嫌そう。


「……さっき、結城に『考えといて』って、言われてたけど、何の話してたの?」


「え、えっと……」


口ごもる私を碧都の目が逃がすまいとじっと、私の目を見つめてくるから、口を開かずにはいられなくなる。


「……文化祭、一緒に回らないかって誘われて」


「…そう。それで、星祈はどうするの?」


「どうって……」


結城くんとは、最近、話すようになったけど……
すごく、いい人なんだってよく分かった。


結城くんを一言で表すなら、周りの人を笑顔にさせる才能のある人。

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