君とみたあの夏の流星群。

そんな結城くんと文化祭を一緒に回ったら、絶対に楽しい時間になるんだろうなって、思った。


でも……

私があの時、すぐに頷けなかった理由はもう、分かってる。


それは───


「はぁ、俺……余裕なさすぎ」


碧都は、小さく呟いたと思ったら、
自分の髪をクシャクシャと掻き回すように触りながら、その場にしゃがみ込んだ。


「あ、碧都?!」


「ごめん。やっぱ、答えなくていいから」


顔を上げた碧都は、情けなさそうな表情をしていた。


「俺さ、周りからクールだ。なんて言われるけど……全然、そんなんじゃないって、星祈、知ってた?」


えっ?


碧都はいつだって、余裕そうで、ドキドキしてるのはいつも私ばかりで……

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