君とみたあの夏の流星群。

愛しさが込み上げてきた私は、ポンポンと碧都の頭を撫でる。


「何?」


下から私を見上げるように見ていた碧都の目線は、頭を撫でる私の手に移った。


「えっと……何となく?」


「はぁ、余裕ないのは俺だけか……」


碧都は、小さくため息をつきながら呟く。


「?何か言った?」


「……いや、なんでもない」


碧都の頭を撫でていた私の手は、いつの間にか、碧都の手の中に包まれるように繋がれる。


そのまま、ギュッと手を握ったまま、碧都がスクっと立ち上がるから、今度は、私が碧都を見上げるようになる。


「……あのさ、さっきの話に戻るけど……結城の誘い断ってくれない?」


「えっ?」

< 222 / 349 >

この作品をシェア

pagetop