君とみたあの夏の流星群。
「やっぱ、こう見ると、七瀬さんって可愛いよなー」
ぽつりと樹が星祈を見ながら言った。
何か、ムカつく……
「あんまり、ジロジロ見るなよ。教室に戻れよ」
「何だよ。嫉妬してんの?」
「うるさい、いいから戻れよ」
俺は、半場強引に樹の腕を掴んで、廊下から連れ出す。
「分かったよ、戻るから。そんなに引っ張るなって。
なぁ、お前さ、七瀬さんが男子の間で、人気あるの知ってんのか?」
「……知らない」
星祈が人気って、他の男が星祈を見てると思うと、ますます、気に入らない。
俺の中で、モヤモヤした感情が芽生えてくる。