君とみたあの夏の流星群。

「…っ、大丈夫じゃないって…こと?」


頭に過ぎる悪い予感…。


左胸あたりに手を当てれば、いつもより近くに感じる心臓の存在。


さっき感じていた不安が、一気に現実味を増していく。


「……何で、かなぁ…」


少しずつ目に涙が浮かんでいく。


どうして、このタイミングなんだろ…


明後日には文化祭があるのに。


文化祭の準備で忙しかった日々を過ごしていたけど、すごく充実してて、準備するのも楽しくて、文化祭がすごく楽しみで仕方なかった。


楽しいことだけを考えていたいのに、病気のことがチラついて、不安でいっぱいになる。


「…っ、うっ」


耐えきれなくなった涙が頬を伝う。


ゴシゴシと擦っても涙は止まらなくて、静まり返った部屋で、私は、声を殺して泣いた。

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