君とみたあの夏の流星群。
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リビングに向かえば、美味しそうな匂いがキッチンから漂っている。


「お母さん、おはよー。それにしても、すごくいい匂い!」


私は、匂いの正体を突き止めるために、キッチンに顔をのぞかせる。


「あら、星祈、おはよう!ふふっ、いい匂いでしょ?パンを焼いてみたの。今日、仕事休みだから、朝から張り切っちゃった」

そう言って、ニコッとお母さんは微笑む。


私は、匂いの正体がパンだと知って、ゴクリと喉をならす。


ちょうど、オーブンから焼きあがりの合図の音が鳴って、お母さんは、焼きあがったばかりパンを取り出して、テーブルに運んでいく。


テーブルの上には、焼きたてのパンにスクランブルエッグ、ウィンナー、フルーツヨーグルトが並べられた。


昨日の夜は、食欲がなかったけど……パンの匂いで食欲の増した私は、パクパクとパンを口に運ぶ。


「良かった。食欲が戻ったみたいで」


お母さんは、安堵した表情を浮かべている。

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