君とみたあの夏の流星群。

「七瀬さん、お待たせいたしました。検査結果が出ましたので、診察室の方へご案内させていただきます」


担当看護師の菊川さんに呼ばれて、私とお母さんは、笹木先生の待つ診察室へ案内された。



診察室のドアを開けて入れば、いつもと変わらない表情を浮かべている笹木先生の姿。


「失礼します」と言って入れば、ツンと鼻につく独特な匂いが充満している。


病院に来ることには慣れたけど、やっぱり、何度来ても診察室の匂いには慣れないな…。


いつものように、私とお母さんは、椅子に座って、笹木先生が話し出すのを待つ。


笹木先生は、一呼吸おいてから、静かに口を開く。


「では、今回の検査結果について、お話させていただきます。
単刀直入に申し上げますと、良い検査結果とは言い切れません」


「……っ、」

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