君とみたあの夏の流星群。
たぶん、このクラスが賑わいを見せているもう1つの理由はきっと、結城くんだ。
「結城くん、本当の王子様みたいだね」
思ったことを口にすれば、パシッと軽く頭にチョップが落ちてくる。
結城くんとは、文化祭実行委員で一緒に作業をするうちに、からかいあえるくらいまでに仲良くなったから、こうこともしばしば。
「……ったぁ、えっ?何?」
「ったく、んなこと平気で言うもんじゃねぇーよ。んなことは、皐月にだけ言えばいーんだよ」
「えっ、どうして、碧都?」
「はぁ?七瀬、知らねぇわけじゃ、ねぇーんだろ?皐月のクラスが執事喫茶つーこと」
もちろん、碧都のクラスが執事喫茶ということは知ってる。
でも、どうして、この流れで碧都の話になるんだろう?
キョトンとする私に、結城くんはわざとらしいため息をつく。