君とみたあの夏の流星群。
□□□


教室を出た途端、ちょうど、迎えに来てくれていた碧都とバッタリ会う。


「あ、碧都!ごめん、遅くなっちゃって……」


あっ!碧都、執事服のままだ。


てっきり、着替えてくるのかと思ってたから、ちょっとビックリ。


それにしても、碧都、カッコよすぎだよ。


執事服を身にまとった碧都は、すれ違うお客さんの視線を釘付けにしていた。


「いや、待ってないけど……」


碧都は、私の格好を見るなり、口をつぐんだ。


や、やっぱり!!


「こ、これはね!瑠奈ちゃんの勢いに負けて、着ることになって!や、やっぱり、似合ってないよね?」


自分でも似合ってないことくらい分かってる。


うぅ、瑠奈ちゃんの勢いに負けて着替えてしまった自分を責めたい。


「……っ、そんなことない」


碧都は、顔を赤くしながら小さく言った。


「えっ?碧都…今、なんて?」

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