君とみたあの夏の流星群。
■■■

【碧都side】


文化祭が終わればすぐに帰れると思ってたのに……


はぁ、後夜祭とかダルすぎる。


俺は、しぶしぶ、樹に連れられて、人混みの中、呆然とライブを観ていた。


「おい、おい。碧都、隣でそんなつまんなそうな顔すんなよ」


「樹、うるさい」


「ほんと、碧都って、イベント行事苦手だよなー。俺にとっては、勉強しなくて済むし、最高だと思うけどなー」


「お前と一緒にするなよ」


樹もだけど、文化祭で疲れてるというのに、何でこんなにも騒げるのか謎すぎる。


俺は、早く家に帰って寝たい。



ふいに、樹が俺の方を見ている視線を感じる。


「そうだ、碧都に報告したいことが……」


樹の話を遮るかのように、「一之瀬ー!」と呼ぶ声がかかった。

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