君とみたあの夏の流星群。

その呼び声に気付いた樹の頬が緩む。


手を大きく振りながら駆け寄ってきた人物を見て、俺は、樹が何を言おうとしていたのか、予想がついた。


あぁ、何だそういうこと。


わざわざ、報告なんてされなくても樹の顔を見ればすぐに分かった。


俺の目の前には、お互いに頬を赤らめた樹と桐葉。


いや、何この状況。


「えーっと、改めて報告つーか、俺ら付き合うことになったから!」


「へぇー、おめでと」


「おい!それだけかよ!」


「いや、他に何て?そもそも、報告されなくても樹の顔見れば分かる。ほんと、樹って分かりやすい。笑」


俺がからかうようにフッと鼻で笑えば、樹は顔を真っ赤にする。


ほんと、からかいがいのあるヤツ。


でも、こうやって感情をストレートに出せる樹が少し羨ましかったりする。


まぁ、絶対に言わないけど。

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