君とみたあの夏の流星群。
□□□


星祈の教室まであと少しときたところで、後ろから呼び止められた。


『皐月くんっ!やっと、見つけた』


「何か用?」と振り返れば、頬を赤らめた女子がいた。



『あの、皐月くんのことが
……好きです!』


文化祭の影響か今日だけで、何度も告白を受けたけど、俺の答えは変わらない。


「悪いけど、俺、好きな人いるから」


『……皐月くんの好きな人って、七瀬さんのこと?!』


だったら、何?


正直、今、目の前にいる女子とは話したことすらないし、名前も知らない。


俺は、思っている以上に低い声で返していた。


「それ、君に言う必要ある?」

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