君とみたあの夏の流星群。

『……だって、2人は付き合ってるわけじゃないでしょ?!なのに、七瀬さんは、いつも幼なじみだからって一緒にいて!』


付き合ってないと、一緒にいたらダメなわけ?


そもそも、星祈のことをよく知りもしないくせに、そんなふうに言われるのは、気に入らない。


「はぁ、それなら、はっきり言うけど。俺の好きな人は……

星祈しか、ありえないから」


『……っ!』


はっきりと言えば、目に涙を浮かべながら、俺のことをキッと睨みつけて、女子はその場を走り去っていった。



「……はぁ、断るのもキツいな」


さすがに、今の言い方はキツかったかもしれない。


でも、ああやってはっきり言えば、変な期待をされなくて済むと思ったから。


なんて、偉そうなこと言ってるけど、俺は、そんなこと言える立場でもない。


星祈と幼なじみの関係でいられなくなることを怖がって、何も伝えられないくせに。


「……ほんと、情けない」

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