君とみたあの夏の流星群。
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それから、急ぎ足で星祈のいる教室へと向かって、ガラガラと勢いよく、ドアを開ければ、薄暗い教室に1人、残る星祈の姿を見つけた。


「星祈、良かった。何ともなくて」


とにかく、星祈がそこにいる。それが分かっただけで俺は、ホッと一安心する。


「あ、碧都」


星祈は俺の姿を見るなり、驚いた表情をする。


「後夜祭は、行かないの?」


「……い、今から、行こうと思ってたの!」


何、その顔……


今にも泣き出しそうな目元とは裏腹に、無理に笑う星祈。


「星祈、どうかしたの?」


「えっ?!何もないよ?!」


何もないなんて、嘘。


「それなら、どうしてそんな顔してるの?」


俺がそう問いかければ、星祈はあからさまにさっきより、明るい口調で答える。


「何でもないよ?ただ、文化祭が終わるんだなぁーって、思ったら、寂しくなっちゃって。ただそれだけだから、気にしないで?」

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