君とみたあの夏の流星群。
「……ごめん、碧都。私は、碧都と幼なじみでいたい。
幼なじみとして傍にいられればそれでいいの」
「……それが、星祈の返事ってこと?」
「うん」と、星祈は小さく頷く。
俯いたままの星祈の表情は見えない。
「…そう、分かった」
「……っ!」
パッと顔を上げた星祈は、今にも泣き出しそうで、また、ギュッと抱きしめてしまいたくなる。
俺は、グッと踏みとどまって、星祈から少し距離をとる。
「心配しなくて大丈夫だから、俺と星祈はこれからも幼なじみだよ」
「碧都……」
大丈夫。
俺がちゃんとこの気持ちを抑えれば、幼なじみの関係でいられる。
だけど……
今、星祈にこれ以上、なにか言われたら、耐えられない気がする。
「ごめん、俺もうそろそろ行くから」
俺は、星祈から逃げるように教室を飛び出す。