君とみたあの夏の流星群。

おかしい。


星祈は体調不良で休んでるはずなのに、誰もいないなんて。



「あら、碧都くん?!」


後ろから聞き覚えのある声がして、振り返れば、買い物袋を持った星祈のおばさんの姿があった。


「あっ、おばさん、ご無沙汰してます」


「ほんと、碧都くんはいつも礼儀正しいわね」


「いえ、そんなことは……あの、星祈は大丈夫ですか?」


「えっ、あー、星祈なら大丈夫よ。今は、眠ってるから、ごめんなさいね?今、急いでるからまた、今度来てもらってもいいかしら?」


おばさんは、俺との会話をすぐにでも、切り上げたいかのような口調で答えた。

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