君とみたあの夏の流星群。
□□□


それから……

しばらくの間、私は、碧都に抱きしめられながら、また、泣いていた。


でも……
キスの後の涙は、嬉し涙だったと思う。


泣きじゃくる私を碧都は、何も言わずにずっと抱きしめてくれていた。


碧都の言う通り、知らずのうちに我慢してたのかもしれない。


今まで以上に私は泣いた。


もう……
これ以上、号泣することはないくらいに。



しばらくして、今だに残る碧都の唇の感触に、ドキドキしながら……
私は、泣きはらした顔を上げた。


「星祈、すごい顔」


「……っ、み、見ないで」


今の顔は、きっとヒドいはず。


そんな私の顔を見て、碧都は優しく微笑みながら、私の涙を拭う。


「落ち着いた?」


「う、うん。落ち着いた、ありがとう」

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