君とみたあの夏の流星群。
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瑠奈ちゃんと一之瀬くんと入れ違いで、碧都が病室に来てくれた。


「星祈、来るの遅くなってごめん」


「ううん、大丈夫だよ。来てくれるだけで嬉しいから」


「そっか。あっ、そうだ。星祈、ゼリーなら食べても大丈夫って聞いて、買ってきたんだけど、食べられる?」


「ありがとう!私、ゼリー好きだから嬉しい」


「うん、知ってる」


碧都は、手に持っていた袋から何個かゼリーを取り出して、冷蔵庫に入れてくれる。



「ったく、2人の世界を見せられる俺の気にもなれつーんだよ」


突然の声に驚いた私は、病室のドアの方に目を向けると、ムスッとした表情をして、壁にもたれかかっている人の姿。


「ゆ、結城くん?!いつからそこに?!」


てっきり、碧都だけかと思っていたから、結城くんに申し訳ない気持ちでいっぱいになってくる。

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