君とみたあの夏の流星群。

「星祈、泣き過ぎ。笑」


「も、もう、からかわないで!」


恥ずかしくなって、プイッと碧都から顔を逸す。


「怒ったの?」


「怒ってない!」


何で、碧都は余裕なの?


いつも、私ばっかり余裕がなくなってる。


なんか、悔しい。


碧都の驚く顔が見たくて、ちょっとした意地悪のつもりで、

自分の唇を碧都の唇に「チュッ」と軽く当てみせる。


「っ?!」


数秒だけのキスをするので精一杯だったけど、碧都が驚いた顔をしたから、よしっ!と心の中でガッツポーズをする。


でも……

すぐに、碧都は余裕のある顔に戻って、ニヤッと意地悪な笑みを浮かべた。

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