君とみたあの夏の流星群。
「失礼ですが、お客さまは学生さんですか?」
「はい、高校生です」
「そうなると、学生さんでもお求めやすいものがいいですよね。うーん……
では、こちらの商品はいかがでしょう?」
と、店員さんはショーケースに並ぶアクセサリーの中からブレスレットを取り出した。
店員さんが見せてくれたのは、小さな星のチャームのついたゴールドとシルバーのブレスレット。
「こちらは、ゴールドとシルバーの2色のペアブレスレットになっており、もちろん、気分やファッションに合わせて使い分けるのもいいのですが…。
シンプルなデザインなので男性の方でもお付けしやすく、カップルの方にご好評頂いているんです」
「なるほど…」
たしかに、値段も他のものと比べたらそこまでじゃないし、買えない額でもない。
でも、先月分のバイト代全額か…。
「ちなみに、星には"希望"や"願い"の意味が込められているんですよ。彼女さんの幸せを願って贈られるのはどうでしょう?」
……希望。
……願い。
星に込められた意味を聞いて、頭に浮かんだのは星祈の病気のことで。
さっきまでの迷いはなくなっていた。
「買います!そのペアブレスレットを下さい!」
星祈の病気が完治する希望と、星祈の幸せを願って。