君とみたあの夏の流星群。

「言っとくけど、俺と結城が仲良くなることはないから」


───ドキン


一瞬、ドキンと跳ねたのを合図に心臓がドクンドクンと大きく脈を打ち始める。


「……っ」


だんだんと強くなっていく、心臓の痛みに私は顔をしかめる。


「……星祈?」


「大丈夫、いつもの発作だから」


突然、起きる発作だからいつもみたいに、少し待てば痛みも落ち着くはず。


「……はっ、はぁ」


「星祈っ!」


あれ?全然、心臓の痛みが引かない。


それに、何だか上手く呼吸も出来ない。


ちょうど、昼食の時間になっていたらしく、お昼ご飯を持ってきてくれた菊川さんが病室に入ってくる。


「星祈ちゃーん、お昼の時間よー」


「菊川さん!星祈が!!」


「碧都くん!ナースコールですぐに笹木先生を呼んでちょーだい!」


碧都に変わって、菊川さんが私の体を支えてくれる。


「星祈ちゃーん、大丈夫だからね。すぐに、先生来るから」


声が出なくて、私は小さく頷いて答える。


病室に慌ただしく入ってきた笹木先生の姿が見えたところで、私は意識を失った。

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