君とみたあの夏の流星群。
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【碧都side】


俺は、菊川さんに言われて我に返り、慌ててベッド脇にあるナースコールを手に取った。


「星祈が心臓の発作を起こして…っ!すぐに、笹木先生を呼んでください!」



その後、星祈の担当医の笹木先生と数人の看護師が病室に入って来て、一気に星祈の病室は慌ただしくなった。


星祈は意識を失ったのか、ぐったりとベッドに横になっていて、


星祈の周りを取り囲むように、笹木先生と看護師たちが駆け回る。


俺は、その様子を呆然と見ていることしか出来ない。


今、星祈に何が起きて……


俺の思考がよからぬ方へと向いていく。


嫌だ…っ、星祈っ!


星祈の元へ駆け寄ろうとする俺を数人の看護師に引き止められた。


「離せ!離せよ!!」


必死な抵抗は意味もなく、俺はそのまま強引に病室の外へと連れ出された。

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