君とみたあの夏の流星群。
「いえ」
星祈の容態がどうだったのか、聞きたいのに言葉が出てこない。
少しの沈黙の後。
先に話を切り出してきたのは、おばさんの方からで、「……碧都くん、ちょっといいかしら?」そう言われ、俺は、おばさんと病室の外に出た。
病室の外にあるソファーに俺とおばさんは、少し間を空けるようにして座った。
一呼吸おいて、おばさんが伏し目がちに話し始める。
「このまま……、薬での治療を続けても効果があるとは思えない。って……」
ドクンと心臓が嫌な音を立てる。
「えっ…?それは、どういう……」
おばさんは、追い討ちをかけるかのように話を進めた。
「笹木先生からは、心臓移植の手術を視野に入れるよう言われたわ」
───心臓移植…?
「…っ、じゃぁ、心臓移植をすれば星祈の病気は治るってことですか?!」
おばさんは、小さく首を振る。
「……分からないわ。笹木先生が言うには、心臓移植が受けられるようになるまで、何年も待つ必要があるそうなの」