君とみたあの夏の流星群。
ふいに、「──ねぇ、碧都」と星祈に肩を揺さぶられ、我に返った。
「…っ、ごめん!もしかして、体調悪い?!」
俺の問いかけに星祈は、首を振って否定する。
「ううん、そうじゃなくて。碧都……もう、無理してまで私のお見舞いに来なくていいよ」
「はっ?何、いきなり」
「いきなりじゃないよ。少し前から思ってた。だって、最近の碧都、なんだか、疲れてるように見えるから」
「…っ、そんなことない。俺なら平気だから、星祈は自分のことを考えて」
星祈はブンブンと首を横に振って、心配そうな目で俺を見た。
「碧都の方こそ、そんなこと言わないでよ…っ」
星祈は泣きそうな声で言った。
「星祈?」
「私だって、碧都が心配なんだよ?碧都、私の心配ばかりしないで、自分のことも考えてよ」
「ごめん」
俺が咄嗟に謝ると、「本当に、碧都のバカ!」と連呼しながら俺の胸を叩く。
星祈の方が辛いはずなのに、俺のことを心配して、想ってくれてるのが伝わってくる。
でも……今は、自分のことよりも星祈のことを考えたいから、多少の無理はする。
俺は、ごめん。と心の中でもう一度、謝りながら、星祈を抱きしめた。