君とみたあの夏の流星群。

「何?」


結城がパーン!と強く俺の背中を叩いた。


「っ、いきなり何なわけ?」


「七瀬のことは俺だって心配してたんだ。でも、お前が倒れたら意味ねぇーだろ?自分の心配もしろよ?
お前、ひとりで抱えこむんじゃねぇーよ。俺も頼れ」


「あぁ」


ってか、結城ってこんなキャラだったのかよ。


「…ふっ」


「んで、笑うんだよ!人が心配してんのに!」


「いや、お前、意外と熱いんだなと思って。笑」


「なっ!」


クスッとからかうように言えば、結城は顔を真っ赤にする。


これは樹と同様、からかいがいのあるヤツだわ。笑


「あのさ、絡んでくるのはいいけど、次の授業始まるから。俺、先に行くから」


「はっ!皐月、おめぇ!俺が気を利かせてやったのによ!」



自分の心配もしろ、か…。


星祈にも同じこと言われたな。


夢中になると周りが見えなくなって、自分の世界に入る俺の悪い癖だよな。


これ以上、心配かけるわけにはいかない。


だから、今は、俺に出来ることをやるだけ。

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