君とみたあの夏の流星群。
■■■

【碧都side】

───数日後


「笹木先生っ!」


病院の廊下で笹木先生の後ろ姿を見つけて、俺は、笹木先生を呼び止めた。


笹木先生は、ニコニコと笑いながら、足を止め、振り返る。


「碧都くんじゃないか!今日も星祈ちゃんのお見舞いかい?」


毎日、星祈の見舞いで病院に来ているおかげか、笹木先生とも気軽に話せるようになっていた。


「はい、星祈の見舞いに来たのもそうですけど…。今日は、笹木先生に星祈のことで聞いて欲しいことがあるんです。
笹木先生がお忙しいのは分かってます。
少しでいいんです。俺に時間を下さい!お願いします!」


ここが病院内の廊下だということを忘れて、俺は、笹木先生に深く頭を下げた。


「碧都くん、頭を上げて」と、笹木先生は俺の肩に手を置いた。


「碧都くん、そういうことなら、この後の診察を早めに切り上げて、時間を作るようにするよ」


「ありがとうございます!」


それから、俺は、おばさんにも時間を作ってもらえるよう連絡をして、おばさんにも病院に来てもらった。
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