君とみたあの夏の流星群。
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笹木先生に案内された会議室のような部屋に、テーブルを挟むようにして、俺とおばさんは椅子に座った。



「すみません。時間作ってもらって……」


「いいのよ、碧都くん。気にしないでちょーだい」


「星祈ちゃんのためだからね、碧都くん、その点については気にする必要はないよ。
それで、早速だけど、碧都くんが話したいことは何かな?」


おばさんも笹木先生もニッコリと笑い、俺に話がしやすいようにしてくれる。


「はい。俺は、おばさんから星祈に心臓移植の話が出ていると聞いてから、俺なりに星祈の病気のことを片っ端しから調べました。海外の医学書も一通り読みました」


「すごいな、海外の医学書まで読んだのか」


「それで、調べていく中で、補助人工心臓のことを知りました」


さすがに、全文英語の医学書をスマホで和訳しながら読み進めるのには時間もかかったし、

そのうえ、医療の専門用語ばかりで、理解するのも難しい内容ばかりだった。


それでも、読み進めていく中で俺は、"補助人工心臓"の存在を知った。



補助人工心臓は、心臓移植が出来るまでの間、心臓をサポートするために用いれられるらしい。


でも、国内ではあまり補助人工心臓を用いた治療法の実例は少ない。


その反面、海外では補助人工心臓の治療法の実例が多くあるということだった。
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