君とみたあの夏の流星群。
俺が最後まで話し終えるまで、笹木先生は、終始頷きながら、おばさんは唖然(あぜん)とした様子で俺の話に耳を傾けてくれていた。
「笹木先生、おばさん……」
俺は、椅子から立ち上がって、笹木先生とおばさんに向かって深く頭を下げる。
「これは、他人の俺が口を出せるほど、簡単な話じゃないことは分かってます。
でも…っ、少しでも星祈の病気が完治する可能性があるなら、俺は諦めたくありません!
俺は、これからもずっと…、星祈と一緒にいたいんです!
星祈と生きていきたいんです!
どうか、星祈を海外での治療を受けることを考えてくれないでしょうか?」
家が隣同士で幼なじみで、小さい頃から星祈が傍にいる。
それがいつしか当たり前になってて、今まで、俺が星祈に向けてた感情の意味にもようやく、気づけた。
だから、星祈が発作で意識を失った時、怖かった。
俺には、星祈がいなくなるだなんて考えられない。
星祈が生きてくれるなら、何だってする。
でも、今の俺に出来ることは何もない。