君とみたあの夏の流星群。
■■■

【星祈side】


「星祈、体調はどう?」


「ちょっと、体がダルい感じはするけど大丈夫」


碧都とは、このやりとりをお見舞いに来るたびにしてて、

もう、挨拶みたいなものだよね。


私は、碧都の前で発作を起こした翌日には、目を覚まして、今も薬での治療を受けている。



碧都は、ベッド脇にある椅子に座ってから「あのさ、星祈……」と、話を切り出した。


「ん?何?」


何だか、碧都の口調がいつもと少し違う。



「……海外で治療を受けてみない?」


「えっ?海外?」


ちょっと、待って、意味が分からない。


海外で治療を受けるってこと?


でも、何で碧都が?


混乱する私に、碧都が説明するように優しい口調で話を続ける。


「……実は、星祈が発作を起こして意識を失った時、おばさんから聞いてたんだ」


「お母さんから?何を?」

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