君とみたあの夏の流星群。

「このまま、薬での治療を続けていても効果があるとは思えないって。
笹木先生からは、心臓移植の手術を視野に入れた方がいいって……」


私の問いかけに碧都は小さく答えた。


「えっ」


───心臓移植?


「それに、もし、心臓移植の手術を受けることにしても、受けられるまでには、何年も待つ必要があるって」


「…っ!」


でも、お母さんも笹木先生もそんなことは一言も………


私の考えていたことを見透かしたかのように、「笹木先生は、星祈の体調が落ち着いたら話すつもりだったらしい」と、碧都は言った。


「そう、だったんだ……」


心臓移植の手術の話が出ていたことも驚いたけど。


何だか、私だけ知らなかったみたいで悲しくなる。


でも…、そんな気がしてた。


だって、自分のことだから。


体がダルいのも抜けてないし、前よりも体力だって落ちてる。


私の病気が悪化してて、心臓移植の手術が必要だってことは分かったけど……

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